パリオリンピック2024競泳

 水泳はもともと習い事としてやっていて、お受験のため小6でやめてしまったものの、4泳法は完全にマスターしたし、個人メドレータイムアタックもしたことがある。なので必然的に幼少期から競泳の試合は見る感じになっていて、そして大人になった。

 Xのログを見ていると2017年の世界水泳を最後にちゃんと競技を追いかけなくなっていたようだ*1が、東京五輪くらいからまたちゃんと見始めた。

 今回のパリオリンピックは、競泳の決勝が日本時間午前3時という最悪の時間帯だったため、生で見ることはかなわず、NHKプラスとTVerで決勝の録画を全部チェックした。(不幸にも)日本選手がほとんど活躍しなかったため、結果のネタバレはほぼ食らわずに済んだ。

 Xでも実況ツイートはしたけど、印象に残った選手や記録は文章にしてまとめておこうと思う。

 

マルシャンの4冠

 今大会のマルシャンはすごかった、現地は相当盛り上がったんじゃないだろうか。

 競泳の最初の種目が男子400個人メドレーで、ぶっちぎり優勝。この種目は日本の松下さんが銀メダルに輝いたのだが、マルシャンがぶっちぎりすぎて中終盤はあんまり後ろを映してくれなかったため、中終盤松下さんがどんな泳ぎをしたのか全然わからなかった。それくらいぶっちぎり。
 この後、200バタフライ、200平泳ぎ決勝を同日に泳いでどっちも優勝。平泳ぎとバタフライ同じ日に泳いで混乱しないんすか???平泳ぎはもう少しで世界新記録で、解説には「バタフライ泳いでなかったらいけてた」と言われていた。200個人メドレーでも金メダルを取って4冠。去年の世界水泳でも強かったけど、ここまでではなかった。地元の声援を力に変えて完全にヒーローになってた。
 競技後半は2個メがあるにも関わらず混合リレーとメドレーリレーに両方出勤させられていた。人いなくて予選も出てたと思うし相当大変だっただろうな。メドレーリレーは銅メダル取ってて、報われてよかった。あわや銀のアメリカをまくりそうだったし。

マッキントッシュの3冠

 去年の福岡世界水泳では、4個メと2バタで金メダルは取ったもののそんなに圧倒的ではなく、よく競技に出る若い子だなあという印象だった。それが1年でめちゃめちゃ強くなり、400と200の個人メドレー、200バタフライの3冠。400自由形で銀。金メダルを取った全部のレースに自分の「はえー」というコメントが残ってたので相当速かったんだと思う。ちょっともう手が付けられない感じになってる。これからが楽しみな若手です。

 バタフライもそうなんだけど、自由形もけっこう速いうえ、カナダというほかにあまり選手がいない国を背負っているため、彼女もだいたい決勝泳いだ後リレーに出勤していた。ブラック労働だ。調べたら400フリー、800フリー、400メドレーに出てた。草。

二つの自由形世界新記録

 ひとつは男子100フリーの潘展楽。この競技の前に男子400フリーリレーがあったのだけれど、そのときの中国の第一泳者が速すぎて、こんな人いたっけ……となっていた。それが潘展楽だった。その記憶が鮮明なまま100フリー決勝を迎え、結果は世界新で優勝。納得のひとこと。最終日のメドレーリレーでもアンカーで出てきてアメリカをぶち抜いて優勝。アメリカは戦後ずっと金メダルだったらしくて、それを打ち破った。潘展楽は、最初の50メートルがめちゃめちゃ速いのに、ターンした後もそれまでがなかったことのような泳ぎをする。足にジェットついてんじゃねーかと思う。見てると速すぎて笑ってしまうので、興味がある方は見てみてください。

 もうひとつは男子1500フリーのフィンケ。これまで男子1500フリーの世界記録は孫楊が持っていたんだけど、この記録、ラストの50mがそれまで1450m泳いだとは思えないほどの速さのため、これまでのレースはだいたいみんな1400あたりまでは身体半分くらい世界記録よりリードしてて、最後の50であああ……ってなってた。それがついに破られた。孫楊の記録は自分はリアルタイムで見ていたので、あれが破られたのか……と感動した。フィンケの泳ぎは入りがかなり早く、その入りのままずーーーーっとラップタイムが変わらないという孫楊とはまた違う驚異的な泳ぎだった。

推しの4冠とオリンピック金メダル9つ

 自分の推しは、自由形中長距離を泳ぐケイティ・レデッキーなのだけど、ついに、800自由形で4冠を取った。よ、よんかん。12年ずっとトップ。やばすぎる。さすがにこれまで見てたようなひとりでずーっと泳いではい優勝みたいな感じではなかったけど、最後100mくらいは優勝を確信する泳ぎで、さすがのひとこと。1500も金メダルで、これでオリンピックの金メダルが9つとなった模様。しかも次のロスも出る気らしい。ロスでは31歳になって、きつくはなってくるけど、このパリでも30歳のショーストロムが50・100の自由形で2冠してたりするのと、決してスピードを重視する泳ぎではないため、まだいけるんじゃないかと思う。推しの泳ぎ、最後まで見たいです。

日本競泳について

 今回決勝を全部見て、タッチ差で金メダルを取ったとか、1位はぶっちぎりだけど他は横並びでメダルは誰やねんとか、そういうレースが結構あった。海外勢も、上に書いたようなやばい人たちは時折いるものの、全部が全部レベルが高いわけじゃなかった。だから、日本勢も、ちゃんとベストタイムを出せていればメダルに届く選手はたくさんいたと思う。

 去年の世界水泳でも思ってたけど、ベストタイムからかなり遠い泳ぎをする選手が多すぎる。パリでベストタイムを出せたのは銀メダルを取った松下さんだけと聞いている。日本勢が全員この状況ということは、個人個人が要因ではなく、組織としてなにか問題があるんじゃないかと思う。そして、正直、もう、だいぶ手遅れなところまできている気がする。

 私は競泳に関しては、強い選手が強い泳ぎをするのを見てるのが好きなだけなので、日本選手にどうしてもメダルを!!メダル第一主義!!とは思わない。だけど、いいものを持っているのに出し切れないって、あまりにももったいないんじゃないかと思う。ここからどうなってしまうのか、正直不安しかない。あと、まじでこのままだと世界水泳の放映権をどこも取ってくれないので、ほんと、お願いします。

*1:そのあたりに自分がメンタル壊してそれどころじゃなくなったのと、そのあとコロナに入ったのが大きいと思う